記事にするような事でもないことを綴っていきます。

最近見たアニメ講評 その4

 

※ この記事にはアニメ作品をボロクソにけなしたり貶めたりする表現があります

  自分の好きなアニメが否定的に評価されるのが嫌いな方は見ないでください

 

 

 

 

 

 

 

 

※ この記事にはアニメ作品をボロクソにけなしたり貶めたりする表現があります

  自分の好きなアニメが否定的に評価されるのが嫌いな方は見ないでください

 

 ネタバレもあるよ

 

前回、前々回とあったにもかかわらず書くのを忘れていたアニメや最近新たに見たアニメについて記憶が新しい内に好き勝手書くことがこの記事の目的

 

ずっと昔に見てたけど前回までに書くのを忘れていた深夜アニメたち

今日の5の2

https://cdnx.natalie.mu/media/news/comic/2009/0626/5no2oad_key_fixw_234.jpg

評価:C

小学校を舞台にした日常+ギャグアニメ

始まる前からさんざん「みなみけ」「みなみけ」と言われ続けていたが

内容のほうはギャグ、日常パートともにみなみけのほうがハイクオリティ

むこうは「萌え」アニメでこっちはそういう要素が薄いので、萌えが苦手な人はこちらを見るのがよき

 

このアニメをみて「鎖骨…!」と変態になった人は日本に結構な数いると予想する

FNS 地球特捜隊 ダイバスター

https://blog-001.west.edge.storage-yahoo.jp/res/blog-c3-ba/zaku_2_zeon/folder/254276/17/2132517/img_0

評価:C

どこか手抜きなシュールなアニメとくだらない実験を行う実写パートを繰り返すアニメ

行う実験の紹介(アニメ)→実験(実写)→総括(アニメ)の順番で行われる

 

なんというか、すごい、しょうもない、でも好き

覚えているのはタクシーの自動ドアで卓球はできるのか? という実験

水曜日のダウンタウンの予算を学芸会レベルまで絞り込んだ番組、と想像すればわかりやすい

 

カッコカワイイ宣言!

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/515cVCJJheL._SY445_.jpg

評価:B

非常にくだらない(褒め言葉) 

しょうもない感じのギャグが好きな人にはおすすめ

それしか言いようがないです

このアニメを見て「糞アニメだ!」というのはちょっと違います

そもそも糞なギャグアニメなんです

 

織田信奈の野望

https://pbs.twimg.com/media/DQV8mV4W0AEwgcW.jpg

評価:E

歴史ものとしても、萌えアニメとしても、何もかもが中途半端

歴史好きはこのアニメを見る必要はないし、萌えアニメがみたいやつも、これ以外の良作はたくさんある、手に取る必要がない

1番ウッとした描写は織田信奈が朝倉氏の越前領を攻めようと見せかけて若狭を攻めた、という描写である、さすがに意味不明である

当初攻めようとしていた越前の金ヶ崎城はを海と陸の玄関口にあたるので、ここを陥落せしめれば若狭は補給路をたたれ、孤立し、朝倉氏支配下にあるものの反抗的な国人で溢れているので、自動的に織田領になる(まあそういう勢力がこの世界線に存在するかは不明だが、ともかく若狭を占領したいなら連絡線を途絶えさせるのが普通である、この若狭や越前といった場所の舞台が日本地図ならば)

なんというか、これを書いている作者が信長の野望をプレイする軽いノリで

「城をせめて~~これにはここの武将を入れて~~」と国取りを書いてるのがわかる描写である

そこには実際にその土地を移動し、連絡し、補給する人間の生活感はない

ゲーム上の陣地取りゲームが存在しているだけである

 歴史を知らないのに歴史もの(笑)を書いてる、「なろう」の前身みたいな作品

なろうのファンタジー(笑)も薄っぺらい中世感に人の生活感のない形だけの日常感、書いてる人がここに住んでいる人の日常すら想像できず、ぺたぺたどこかで拾ってきた設定をただ貼り付けただけのうっすいものである

そこには中世に当然あるはずの病気、宗教観、迷信、災害なんてものは存在しない

 

この作品も同じ、歴史を知らない、信長の野望しか知らないやつがかいたなんちゃって戦国時代ラノベです、ただ「自分で設定とか世界観とか考えるのめんどくさいよぉ~」と言ってとってつけたような戦国時代の設定・登場人物を持ってきただけです

ゴミ

 

 

 

天空の城ラピュタ

https://pixiin.com/img/675-l2.jpg

評価:C

 

千と千尋の神隠しは大好きだし、アニメ映画の最高傑作はとなりのトトロだと思っているが、これはだめだ

絵はめちゃくちゃキレイ、なのはジブリ映画ではもはや当たり前

それでいて久石譲作曲の音楽も聞き心地がよい

世界観も美しい

天空にそびえ立つ、物寂しいラピュタもそうだが

序盤、カーチェイスをする近代を思わせる工業都市の背景も見ていて中々萌ゑた

 

でも中盤以降は失速する、つまらないどたばたアクションパート(と日常パート)が始まるのだがこの退屈感は終盤まで続くことになる

いざラピュタに到着して、悪役の親玉・ムスカと対決だ、という展開になっても主人公たちの動きは鈍い

ドーラたちはただ捕まってるだけだし、シータはドーラを助けて、あとはあっちこっち走り回っているだけ

終盤は実質ムスカの独演会となっている

 

それでいて最後は一体どうなんだ?

ネットミームにもなっているバルス

だが、正直なぜこれが許されているか、わからないほど、不快の産物である

敵に追い詰められ、もう逃げ場はない、一体どうする?

思い切って戦う? 説得する? それともまだなにか秘策はある?

そうだ、崩壊の呪文を唱えて全て解決だ!!!

 

は???

 

こんな「機械仕掛けの神」をありがたがってる意味がわからない

こんなんで最後の見せ場を解決してほしくないし、最も有名な場面になってほしくもない

 

よくこんなことを言うと「終盤まで色々あるんだからいいじゃん」「それまでの展開があったんだからいいじゃん」と返ってくるのだが、それ本気で言っている?と声を大にして言いたい

先に述べたように終盤はムスカがいかに自分の味方を裏切りラピュタを手にせんと夢想したか、という説明が大半である、独演会である

シータもなんかあちこち走り回っているが、ほぼ走り回っているだけである

主人公サイドの健闘や、何かしらの策もなく、ただの勧善懲悪的に、「バルス!」の一言ですべてが解決してしまう

実に展開として魅力的ではなく、没個性的だと思いませんか

 

まとめると序盤のカーチェイスまではハラハラ・ドキドキさせてくれる、面白いアニメだけど、そこから中だるみするアニメってことです

 

千と千尋の神隠し

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51KX4zMgahL._AC_SY400_.jpg

評価:A

もはや説明不要、スタジオジブリが誇る傑作アニメ映画

この作品の良さについては自分よりよっぽど映画に詳しい人や権威ある人が散々言っているので今更自分がとやかく言うのもはばかれるが

この作品はとにかく世界観が美しい、海外のなにがしをモデルにとったという美しい街並み、湯屋の3次元に奥行きがある建物、西欧化の時代を思わせる湯婆婆の執務室

川や河、あらゆるものに神様が存在するというアニミズム、そして真名が大事とされる日本・東アジア的な世界観

前作もののけ姫でも完成度が高かったスタジオジブリの世界観がこの作品にも活かされている

物語は前半に千尋が突然両親と離れ離れになり、仲間の助けを借りながら奮闘する前半、初めての接客に戸惑いながらも活躍するサクセスストーリーチックな中盤、そしてそれまでの駆け足の展開から一転ゆるやかに時間が流れて、銭婆のところへ仲間とともにむかう終盤にわかれる

それぞれに見どころがあって、それぞれ面白い部分がある

この物語のいろんな時間に千と千尋の良さがあるのがいい作品だと思う

 

千と千尋千尋の成長物語か、というとおそらく違うと思う

千尋は確かに物語序盤で不安そうで、どこかどんくさそうだったのに終盤になる頃には1転して前を見据えて、1人前少女のようになっている

でも最後のトンネルをぬける前後のシーンでは序盤と同じく母親とくっついて話すし、抜けた後の千尋はどこか遠くを眺めるようにトンネルを見つめている

おそらくこれは不思議の国のアリスのような、白日夢だったのだろう

どこか遠くに人が知らない不思議な街があって不思議な人物がいる、千尋はそこに一時的に迷い込んでいた「夢」なのである

だとしたらやはり千尋の成長物語ではなく、白昼夢と解釈するほうが自然に思う

千尋があの場で、どんどん自分で道を切り開くなったのは、千尋が数日間でめきめき成長していたのではなく、もともと千尋の奥底で眠っていたものがショックによって外に出された結果なのだ

孤独になり、これまでよりも自分のちからで生きていることを外に促されて、自然と子供として強くなった時間なのである

 

最後にトンネルを抜けた後、成長しなかった千尋は結局は何もなかったことになるのか?

そんなことはないだろう

トンネルのむこうの世界のことは、やがて両親と同じように記憶から消えゆくことが示唆されている(髪飾りの光、トンネルを遠くに眺める描写)

しかし忘れたとしても何の問題もない、千尋が窮地に追い詰められて仲間と一緒にくぐり抜けたという事実は残り続ける

作中の人物が言うように「1度あったことは思い出せないだけで忘れないもの」なのだから

 

時をかける少女

https://cinema.ne.jp/wp-content/uploads/2018/07/af78a045470eec672802674e1320fd72-760x480.jpg

評価:B

見た当初は「あ、この話面白いじゃん」と思うものの後々思い返してみると色々無理のある描写が思い出されるアニメである

考察サイトで書かれているような、タイムリープするカウントがおかしくないか? とかそもそも声優の演技が棒すぎる、とかは置いておいて

恋愛ものとしては千昭という人物に魅力がない、感じさせる描写が少ない、というのが大きい

3人組でつるんでいたうちの1人、孝介が女の子といい感じになると千昭が突然主人公に「俺と付き合わねえ?」と言ってくる、何の前触れもなく

え……それ俺たち2人余っちゃったから、付き合っちゃおうか、とかそんなノリ……?

 

その後千昭には絵を見るために未来から来た人間で、未来に帰られなければいけない、というロマンチックな設定が加えられるが逆に言えば千昭の魅力らしい魅力といえばそれぐらいである

だが主人公は千昭が未来人と明かしてから唐突に恋愛対象として意識しだす

ちょろ

もっと主人公が千昭に惹かれていく過程や、千昭のここのこういうところ、いいなあ、と思う流れが、視聴者にわかりやすく描かれていれば納得できたのだが

最後号泣し、抱きしめあいながら別れるシーンも

ええ……いつの間に2人そんなに思い合ってたのぉ……

と唐突な印象を拭えなかった

 

まとめるとカジュアルなSF映画としてはアリかもしれないが、恋愛部分の描写がイマイチパッとしないアニメ、てことです

 

サマーウォーズ

https://av.watch.impress.co.jp/img/avw/docs/1191/809/m06_s.jpg

評価:D

「子供っぽい」という印象がぬぐえなかったアニメ

自分が小中学生の頃に見たら面白いと感じたかもしれないけど、おっさんになった今、このアニメを見ても……

念の為このブログの記事では「子供っぽい」アニメと「子供向け」のアニメは明確に区別して書いている

「子供向け」のアニメとは確かに対象年齢が子供であるけども、大人が見ても十分に面白いと思える、そんな共感性の高い作品のことである

例えばクレヨンしんちゃん 天晴! 戦国大合戦だとか名探偵コナンイカー街の亡霊などがそれである

一方、「子供っぽい」作品とは全体的に作品全体が幼稚で・見ていてすぐに「はあ……」とため息半ばに見たくなる作品である

この作品はそれ

チープな、別世界(別次元?)での戦闘シーンだとか、色々ひどい

クレヨンしんちゃんのハズレ映画のキャラや設定をちょっといじったらこの作品になりそう(オカマキャラがしんちゃん映画で必須だったあたりの時代)

 

まずこの話、数学のオリンピック優勝者の高校生が、学校の憧れの先輩の婚約者という設定で、親戚の集まりにつれてこられる、という導入で始まるが、もうこの時点でお腹いっぱいである

少年漫画でさんざんみてきたような既視感に数学オリンピックの優勝者の高校生というとってつけた設定、その全てが「臭さ」という絶妙なフレーバーをかもしだしている

もう充分、結構だって

 

なにが「臭い」て全体的な設定の「とってつけた感」が臭い

たまたま数学オリンピックの優勝者で、たまたま美人の女の子に婚約者にされ、たまたま親戚に凄腕のゲーマーがいて、たまたま親戚のはみ出しものに国防省からスカウトされるレベルの凄腕のプログラマーがいて……ああああ!!

どんだけ「ご都合」キャラ出すねん!!!

別に数学者の天才がいてもいいよ、パニック映画では重要なポジションにいたりするし、単純普通な高校生の日常をえがいてもー? て感じはするかもな???

でも天才には天才の見せ方がある、視聴者に「おお! こいつは天才なんだ」と分かるようにしなければならない

天才が主人公ならもっと中二心をくすぐれよ! もっと「えっ今のなに……分からない単語出てきた、ググらなきゃ」ていう魅せ方をくれよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

この作品の主人公とはいえば暗号の解読シーンカットで気がついたら、とけてました~

はあああああ????????????????????????????

ご都合をご都合でなくするためには、そのキャラである必然性や、意味を持たせろよ

 

 

主人公もそうだし、全体的に設定が子供っぽい

ゲームのお助けキャラのようにいつでもどこでも顔を出してすぐに主人公を助けてくれるザ・ご都合こと佐久間くんや

日本の全国民が利用していて世界中にファンがいるOZの利用者が400万人という設定

いくらSNS未発達の時代の作品とはいえ少ないとは思わなかったのだろうか

だいたいラブマシーンだって、国防総省からスカウトされたプログラマー(中学生がノートに考えた設定か?)のものが勝手に使われて、しかも日本経済に深刻なダメージって……えっとうーんとね、ねえ??? 外交問題になりますわ

自分としてはたとえ子供向けの映画、作品であろうとSF要素の作品はきちんとすべきだと思っている

たとえその設定を表に出そうと出さまいと、きちんと練り込まれてる作品には裏にはその世界観の奥行きが感じられる

薄っぺらい作品は薄っぺらい設定にずっと付きまとわれて、作者の底の浅さがしれてしまう(なろうがわかりやすい)

 

それにこんなにキャラクターいる? 正直5人、6人でもこの物語描けたよね

おそらく作りては「田舎の大家族感」を出したかったんだろうけど、そのためにほとんど物語に関わることのない「死にキャラ」が何人もいる

彼らはほとんど物語に貢献せず、ただ「大家族感」を出すための置物である

 

うっ……! この感じどこかで既視感が……!

そうだ、平成最大級の糞アニメのAngel Beat!

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51QaQ14iHPL.jpg

あのアニメも物語に関わらない置物キャラを「学校感」を出すために何人も配置してやっぱりなんにも喋らないまま「死にキャラ」になっていてた!!!

むむむそう考えるとこのサマーウォーズという作品、思ったよりクソに思えてきたぞ……

 

それにこの作品、世界観が薄っぺらいんだよね

実際に何かがおこって、行われていることは家の周囲だけなのにアメリ国防省(名前だけ)経済ダメージ(渋滞の描写)超激ヤバウイルス(ゲーム内で戦っただけ)超凄腕プログラマー(名前だけ)数学オリンピックの優勝者(ほとんど名前だけ)

あああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!

名前だけで下駄はかせればいいんちゃうぞ!!?

世界観の名前だけ名前を出しておいて、あとの実態が薄っぺらいからペラペラの物語にしか見えんねん!!!!!!!!!!!!

 

 

 

ということで今まで見てきたとおりサマーウォーズは間違いなく子供っぽいクソ作品

高校生以上からこんなクソ作品見てはいけません

脳みそが壊れます、もっといい作品を見ましょう

 

秒速5センチメートル

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/S/Skarugo0094/20171118/20171118183109.jpg

評価:A

秒速すごく面白いよ、いいよ、とネットの友人がおすすめしていた

当時こじらせ萌えアニメオタクだった自分は「秒速~? あ~こういう絵柄そもそも好みじゃないんだよね~、もっと女の子が『きゃっきゃうふふ』してなきゃ~」とイマイチ箸が進まなかった

が、決心して見てみたらわかった、これは傑作アニメだ

1話で「ん~……?」と思い2話で「ああっ!」と身悶えし、3話で「はぁ……」とため息をついた

絵の綺麗さもそうだが、恋愛の描きかたも素晴らしい、特に2話の少女が片思いして苦しむ様子はどこか自分にも見覚えがあって、それだけに苦しくて、見ていてきゅんきゅんとした

前回、前々回と「このアニメのキャラクターの感情の動線に共感ができなくて~」と散々いろんなアニメ言ってきたが

逆に今までで共感できたキャラクターはだれか? ときかれたらこの女の子である

1話は結構退屈だ、動きがなく、展開がなく「これほんとうに面白いの?」て感じ

だが2人が会うシーンはそれまでの欲求不満が一気に爆発して、まるで映画の登場人物の1人かのように、会う喜びを感じた、カタルシスである

「なるほど、だからあの退屈なシーンだったのか」と納得した

2話、正直ここが秒速の本編である、高校生の女の子の切ない恋愛模様が語られる

物語は女の子のモノローグで進むが、心情描写が続き、女の子がはっきりとなにかを相手に伝えることが少ない

そこが「アニメっぽく」なく、感情移入して見られる

各々が登場人物の動きを見て、察したり、悲しくなったり、胸をしめつけられればよい

なにかよい恋愛青春映画を見たかったら、秒速はそれを提供してくれる

3話は2話が良かっただけにちょっと蛇足? でも不条理系が好きな人は、見ていて「うん」と納得できるだろう

 

その後どんな相手、どんな人と恋愛し、セックスしたとしても

初恋だったり、学生時代の恋愛というのは忘れたころにやってきて、依然として特別な魅力を放ち続けて、現実世界を超えて、記憶と妄想で常に磨かれ続け憧れとなっていくんです

 

総括すると恋愛青春映画の傑作です、天気の子? 君の名は?

うるせえ! 秒速を見ろ!

 

言の葉の庭

https://cs1.anime.dmkt-sp.jp/anime_kv/img/11/41/8/11418_1_1.png?1551176803000

評価:E

ヒドイ……ヒドスギル……

秒速とはうってかわってめちゃくちゃ「くっさい」恋愛映画

脚本の「ここをこうしたら青春っぽくね?」「ここのこういうのしたら青春だよな」という意図が、映画を見てありありと感じ取れるのが精神的にきつい映画です

まずこのゲーム、主人公たちが偶然公園で出会って、女の人は

万葉集の短歌「雷神(なるかみ)の 少し響みて さし曇り 雨も降らぬか 君を留めむ」

と言い残して去っていきます

はいいきなりくさすぎますね

まあ古典の教師だから、短歌を言い出す……てのは目をつむるとして、いきなり見ず知らずの人にそんなこと言い残しますか?

実にアニメ的で架空的すぎやしませんか?  アニメで架空の話だからいいじゃん、となるかもしれないけど、それを「素敵な出会いやん!」てな感じで演出するのはくさくありませんか?

 

最後はお互い一線を引いた関係になろう……てなって、待って!! とかけていって、お互いの好きの気持ちぶつけ合います

うん……なんか、もういいって、そういうの、いいから、ね?

こういう1度別れたのを待って! 引き止めて最後は私も好き! 僕も! という、昭和のドラマのストーリーにありそうなものを

いいと思ったり、ドラマチック、と作り手が思って、見せているのがもう蕁麻疹ものですよ

そしてこういうあけすけな展開はえてして作者(新海誠)の顔が透けてしまうのがガン萎えしますね

 

なんというか、全てにおいて都合の良さがにじみでてるんですよね

雨の日にわざわざ公園にいって絵を描くとか、いきなり見ず知らずの男に短歌をいいすてるとか、不自然にお互いのことを知らない、お互いを求めてるのに連絡先を交換しない関係とか、雨の日は学校をサボる設定とか

そういった不自然な都合の良さが全て「こういうのがあったら素敵だ」「こういう関係だったらきれいな」という妄想のために組み込まれてる

それがわかった瞬間視聴者は「気持ち悪さ」を感じるわけです

 

小説や映像作品を作る人は伝えたいことを様々なレトリックを用いて、その伝えたいことより効果的に視聴者が感じるよう工夫をしますが

そのレトリックがあまりにあけすけだったり、頑張りが見えたりすると、視聴者はそのレトリックや作者に対して意地悪な気持ちになります

これはそういう作品です

 

また中身がかなーーり薄い、典型的な「内容がないよう」アニメです

お互いを気になっている男女がいた、好きと確認した、自分の今後を頑張ろうと確認した

それだけのアニメです

もっとそこに、視聴者の共感を呼ぶような設定・展開・成長の過程があれば作品らしい作品になったんですが、この作品にそんなものは一切存在しません

ただひたすら新海誠の「こうだったら美しくね?」と気持ち悪い妄想が広げられているだけです、公開オナニーなわけです

新海誠と一緒にオナニーできる人は見てどうぞ

 

星を追う子ども 

https://images.ciatr.jp/2017/12/w_828/YtPKypFE4GLSA5xr4M8dlIoOF8M2NY1THOVNDDOi.jpeg

評価:C

新海誠の作品らしく映像はきれい

夕暮れ、夜、夜明けの空から色を変えていく草原まで、丁寧に描き込まれている

世界観も、地上に住まう人類とは違う存在、国、神々といったファンタジー世界が描かれていて、美しい

中盤ぐらいまで、このきれいに揃った材料を使って一体どんな話になるのだろう? と期待していたのだが、出来上がった結末は、本当に糞みたいな内容だった

人の命は尊い、だから人を生き返らせてはいけない、という結末のために

安~~~い、展開を見せられる

この投げ槍で安っぽい説教臭さ……なんだと思ったらゲド戦記と言われて、言い得て妙だと思った

特に終盤に先生が妻を蘇らせる→少女を失う→妻が消える、の流れは「プロットの流れをそのまま組み立てました~」て感じの骨だけしか見えてない肉薄・薄味展開なので

「これでこの結末!?」と見ている人は驚くだろう

中盤まで一見美しく見えた世界観も、その世界の奥ぶかさを表す描写が不足していて段々とペラペラ化していく

これを見るともののけ姫がいかに完成されていた世界観をもっていたかがわかる

 

総括すると物語の主筋含め「もっとなにかならなかったのかな」て感じ

 

もっと人の命の尊さを大事にするならそれ相応な深淵なストーリーにしてほしい

そうでないと命の大切さ、という壮大なテーマとぺらっぺらの話との対比があまりにアンバランスで笑ってしまう

絵とか世界観が中盤まで好きだったのでDよりのC

 

君の名は 。

http://cinema.ne.jp/wp-content/uploads/2016/08/e1c2381d1752077ee73ae12a6f5b3b1b-760x638.jpg

評価:B

新海誠がエンタメ(一般)向けにふって大成功した作品

見直してみると「ああこれそういう意味だったの」とか「ここがそうつながるのね」とわかる部分があり、そういう意味でもよくできている作品

序盤中盤からの話の展開の仕方はうまい、2人の入れ替わりを描写するときに並行して同日して見せるのではなく、片側だけ見せることで煩わしさはなく、また余計な描写はスパッと切り落として見やすいものになっている

ただ終盤の糸守町のドタバタ劇は、子供っぽいというか幼稚かな

もともと恋愛に焦点をあてたアニメとはいえ、パニックの起こり方、終結の仕方があまりにしょうもなさすぎて、そのパートだけぐっと物語としての完成度が落ちる

それまでよくできていたなあ、と思っていただけに見ていて残念

 

またキャラクターに「都合がいいキャラ」がいくつかいるのも残念

例えば坊主頭のテッシーは「オカルト好き」という取って付けたような設定で三葉を盲信してる(盲信してないけどテロ行為に従ってるサヤちんもぶっ飛んでるけど)

特に瀧くんの憧れの相手である奥寺先輩は作中随一のご都合キャラ

入れ替っている間に三葉が中身の瀧くんに惹かれるという

入れ替わりのメリットを見せるために存在しているザ・ご都合

そのくせ(瀧くんが中身の瀧くんは魅力的ではない、と言ってたくせに)勝手に主人公の旅行に泊りがけで勝手について行ったり、物知り顔で人生観を語ったり

憧れキャラクターとしてしても崩壊してるし、なんというか一々中身がペラいし、一貫性がない、結構見ていて目障りなキャラ

 

 

あと言の葉の庭で嫌というほど感じた新海誠の気持ち悪さを感じるシーンが多いです

例えば口噛み酒、「文化的なもの」という面がある一方、作中のテッシーや同級生、三葉の反応から、性的なものとしての側面を作り手も散々強調してきて「そこいる?」て感じで違和感、はっきりいってきしょい

また女子小学生が「巫女の口噛み酒の製作シーンから撮って、それを売り出そうよ」と言って女子高生が「うーん」と悩むシーンも率直に気持ち悪かったです

あとおっぱいを揉むシーン

「かわいい女の子と入れ替わったらおっぱい揉むだろ!」てそりゃそうだしオレだってもみまくるけど、お風呂とか、着替えとか、そういうナイーブなシーンを切り通して

ギャグとして残したのが毎朝の「乳もみシーン」って「うーん?」

気持ち悪いなあ……

毎朝の乳搾りは「お約束」「日課」「ギャグ」としてまだなんとか片付けられるけど

三葉に出会いたい、心配、入れ替わりたい、というシーンの最果てに泣きながらおっぱいを揉みまくるシーンはさすがに気色悪すぎる、全く笑えない

 

 

色々気に食わなかった点をあげたけども、これだけ1大社会ムーブメントになった作品、今更その良さをいちいちあげなくても、見た人はわかるでしょう

特に電車の中で会うシーン、頂上で2人が再開するシーンは

胸がきゅんきゅんとするものがあったし、何度も見返したし、そして三葉は可愛かったです(サヤちんが1番かわいいと思うけど)

 

(そんな新海誠の作品を見たことがあるわけじゃないけど)新海作品の入り口とおすすめできる良作です

 

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最高ですよね(笑)

誰だよこのきっしょいオタク

 

 

心が叫びたがってるんだ

https://cs1.anime.dmkt-sp.jp/anime_kv/img/21/66/2/21662_1_1.png?1551265275000

評価:D

なんの前情報もなく、映画館で視聴

序盤から中盤にかけての魅せ方はうまい

ミュージカルを舞台にした作品なのだがそのミュージカルを通じて主人公たちが仲間を集めたり、みんなで共同で作品を作り上げている様子が違和感なく広げられていく

コミュ障な主人公の少女と、それと関わろうとする少年の、近すぎず、離れすぎず、絶妙な距離感も、変に恋愛要素がうざったくなりすぎず、見やすかった

秩父市をモデルにしている背景も、日常感があってよき

これが中盤までの感想

 

終盤にかけてはなんというか、だめだ

主人公の少女が、少年を少年の元カノにとられそうになって発狂するのだが、その発狂の仕方も、主人公のなだめ方も、最後のめでたしめでたしと大団円的な終わり方も、なにもかもが納得がいかずに感情移入ができなかった

はあ……なんか、惜しかったなあ、途中まで良かったのになあと、もやもや感でいっぱいの中

入場の際に渡されるパンフレットを読んで見て、納得

脚本:岡田麿里 である

知ってたら見てなかったー……ときちんと前調べしなかった自分を恨んだのは言うまでもない

 

この人はほんとうに序盤から中盤までの魅せ方がうまい

風呂敷を広げるだけ広げて、その後は乱雑に箱の中にあちらこちら放り込むかのように伏線を回収していく

いや……なんだその収まり方は……と見ている方はポカーンである

あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない。にしても、花咲くいろはにしても、みんなそうである

散々これからどんな展開がくるんだろうなあ……! と視聴者をわくわくさせておいて、かえってくるのは寝る前5分に考えたようなクソみたいな内容だ

君が今後アニメを見る時に脚本:岡田麿里の文字を見たらいますぐ視聴を中止しろ!

時間の無駄だ! 

 

 

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ほんまにこの制作陣さあ……

 

名探偵コナン 異次元の狙撃手

https://stat.ameba.jp/user_images/20180331/17/soso2ants/36/bc/j/o0437072014160931437.jpg?caw=800

評価:E

駄作中の駄作、君が今クソなアニメで時間を無駄に浪費したいなら、このアニメをおすすめする、きっと期待に答えてくれることだろう

序盤で説明されることは突然殺人事件が起こる、犯人は3~4人に絞られている……ということ

もうすでにこの時点事件の全貌が見えている

映画を見ていて、特にミステリーの内容に広がりがなく、本当に最初に説明された通りの範囲内で事件が進んでいく

いやちげえよ、みたいのはこういうのじゃないんだよ!!

 

例えば同じコナン映画の瞳の中の暗殺者を見た時、白鳥が「Need not to know」とつぶやくのを見て全国のちびっこたちは中二心をくすぐられて絶頂し、また同時に警察関係者がかかわっているかもしれないという、謎の奥行き、全貌のわからなさに身震いした

 

だが一方でこの話はどうだ、この映画では、この事件のおおよその全貌は開始30分で明らかになってしまう

このあと明らかになるのは、誰が犯人で、どうやって殺したか、ぐらいである

その後の世界観の広がりや、事件の全貌の「謎さ」もくそもあったもんじゃない

そして極めつけはこの映画のオチである

君がもし映画を見ていてその映画の1時間半まったく出てなかったキャラクターが最後のクライマックスシーンで突然出てきて、ラスボスをかっ飛ばしたらどう思うだろうか?

完全に主人公を食ってるし展開としてモヤモヤするし、ボスを倒すまでの試行錯誤は?となるだろう

これはそれをやっている、だから糞だ

突然沖矢昴(赤井秀一)が最後のシーンで颯爽と現れて長距離射撃で犯人を追い詰める

なんというかもうお前が最初から一人で対応しろよ

て感じである

糞アニメ or 糞映画ハンターでもなきゃ見なくていいぞ

 

名探偵コナン 天空の難破船

評価:E 

https://dtg3yjoeemd2c.cloudfront.net/cms/article/a1401f87b05296210967f51a49c874d6e17584fe.png

なんだこのクソ映画!?

特に見せ場もなく、面白いと感じる場面もなく、最初から終盤まで、つまらないままで終わったクソ映画

なぜこんな映画を作ってしまったのか、なぜ望まぬ子供を生んでしまったのか、我々には理解できない、それほどこの映画は糞だ

水平線上の陰謀までに見られたコナン映画の犯人をさぐりあてていく感覚、謎が謎を呼び全貌がつかめない感覚、そんなものは存在しない

開始20~30分で大体の話の全貌が見えて、そしてそのままその予想通りの展開のまま進む、何の驚きもない

古畑任三郎みたいんなサスペンスものじゃあるまいし、こんななんもかもあけっぴろげな展開、一体見ていて何が面白いのだろうか

銃器の扱いになれた傭兵部隊が、研究所を爆破して高死亡率を誇る細菌を盗んだ

飛行船に爆弾まで仕掛けて大規模テロの予感……!

さて、犯人たちの目的は!?

奈良から仏像を盗むことでした←は????

しかも実は細菌盗んでません←は??????????(いや最初に研究所忍び込んだのはなんだったのよ)

ご都合にご都合を重ねたしょうもない展開の連続

爪が変色するほど修行した元漆職人で海外に傭兵経験のある犯罪者とか上から上にご都合設定積み重ねてるんじゃねーぞ

 

映画の宣伝文句にあったコナンとキッドの対決も特にあるわけでもなく

ただお助けキャラ(ご都合キャラ?)的にコナンを助けてくれるだけで、対決もクソもあったもんじゃありません

あのさぁ……もっと焦点あててくれないかなあ、どうせ謳い文句にするなら

 

大体さあコナン映画にアクションシーンとかいらないんだって、B級のハリウッド映画を見ている気分になる

そんなアクションシーン見るくらいなら、もっとストーリーがきちんとしていて予算のかかってる洋画見ますわ、コナンでやる必要ないんだって

……と思っていたがその方向に映画を切り替えてから映画の観客動員数は右肩あがり、今やきちんと推理してた頃の約3倍の人数を誇ってるという

本当にしょうもない

 

 

きちんと推理をしていたコナン映画はもう返ってきません

もうしょうもない展開とどこかで見たような状況、開始数十分でなんとなく起こることが予想できる配置、わざわざコナンで見る必要のないひどいアクションシーン(スケボーにのって銃弾をよける、博士の特殊道具を使って敵を蹴散らす、etc.)

それらが盛りだくさんのコナン映画しか今後ありません

くっっっっそつまんない映画をこれからも量産してってください

 

 

遊戯王

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評価:C

東映版の方の遊戯王(映画ではなく通常放送版)

主人公の遊戯の声が緒方恵美だが、結構あっててかわいい

ミホちゃんというオリジナルキャラクターが出てくるのだが

原作でイマイチ目立てない本田の好きな人、という設定で

これがいいアクセントになってていい(そのせいで本来メインヒロインであるはずの杏子の影が薄くなっているのがアレだが)

内容は1話完結の勧善懲悪ものでサクッと見れるし

見るものがなくて困っているアニオタにはいいかも……?

ただ、まあ、昔自分がちびっこだった時代に見たらハマってた気がするけど

今こういうのを特に思い入れもないのに見るのは、キツイかなあ

 

遊戯王 デュエルモンスターズ

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評価:C

動画のネタ探しに……と王国編を視聴

今見たら突っ込みどころが満載である

いやそのカードになんでそんな効果あるんだよ、とかそもそも思いに応えて好きなカードがひけるってなんだよ、とか、そもそも主人公の声優が棒すぎる、とか

それでも多くのちびっこたちの運命を変えた歴史的な作品なんです

内容そのものは覚えてないけど、見ていて「ああ、このシーンを見ていた記憶ある!」と非常にエモかったです

 

しっかし最高クラスの魔術師(ブラック・マジシャン)だったり、悪魔族の超レアモンスター(デーモンの召喚)だったり、いまだかつて誰も揃えたことのないカード(封印されしエクゾディア)だったり伝説の剣士(カオス・ソルジャー)だったり

君は一体どこからそんなカードをいっぺんに引っ張ってきたのだね???

 

ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風

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評価:D

つまんないね

ジョジョの奇妙な冒険は、5部から戦闘が分かりづらくなって、6部から更に意味不明になるのだが、このアニメはそういう戦闘の分かりづらさもあるけど、単純に戦闘描写が面白くない

敵と戦闘になる→追い詰められる→トンチの効いた返しで大逆転する

ていうのがジョジョの戦闘パターンなのだが、今回そのトンチパートが結構しょうもないものが多い

更に「ジョルノスゲー!」と言わせたいがための描写が、鼻につく

なんというか、敵も味方も、とりあえず何かにつけて「ジョルノスゲー」と言いたがる

……あ、そうですか

 

「女の方が体温が~」とか「果物くわえたらなんで自分に銃撃つことになるの~」とかそのへんの意味不明な部分は「燃えてる最中に服を脱いで穴を掘る」「指が突然伸びる」などしてきたジョジョにはいまさらすぎるツッコミですよね……

 

ポケットモンスター みんなの物語

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評価:B

意外に良かった良作

個人的に映画公開前に出されたキービジュアルがステキと俺のなかで話題だった作品

特にハラハラする展開も、衝撃的な事件も、めちゃくちゃ感動するシーンもあるわけではないけど、序盤・中盤・終盤と、飽きることなく展開を続けていって安定しており、矛盾した言い方をすると凡作の良作って感じ

人とポケモンと共生をテーマに、ポケモンとうまく馴染めない5人のオリキャラが出てくるのだが、それぞれちゃんと見せ場があり、きちんと画面の中で活き活き動き回ってくるのがうまくできており、1人もいわゆる「いらない子」が出てこないのがイイ

(そういう意味でいうとやはり5人ていうのはアニメでうまく動かせる人数の限界値かも

たいていの日常アニメで1度に会話に参加するのはそこが限界だし

それ以上の人数でアニメを展開しようとすると(9人揃ったあとの)ラブライブ! や、The IDOL M@STERのようにどうも薄味になってしまう

 大人数をうまく動かすために、1人1人の動きは省略されがちになるし、その省略した中でも動きをだすために、どうもテンプレにたよったり、どこかで見たようなイベントに頼りっきりになり、キャラクターとしての動きが面白くなくなってしまう

と、いうことでこのぐらいの人数がちょうどいいのかも)

 

ちょっと話はそれたが、5人それぞれに悩みがあり、その悩みがポケモンを通じて解消していく……とちょっとありがちだが、物語に不自然なところなくうまく解消させていくのが完成度が高い

その点、結晶塔の帝王 エンテイのように物語の主筋とまったく関係ないバトルシーンをさせられた(見せ場のための見せ場をさせられた)カスミ&タケシらとは好対照である

 

ただサトシが作中で完璧超人すぎる、というのは、どうなんだろう

5人の人物はポケモンと仲良くなれない、知識がない、などそれぞれの悩みを抱えているが、それらをすべて解決しているトレーナーの理想としてサトシは登場する

この作品でのサトシは完璧でまさにみんなの到達点であり、サトシはミスを決して犯さない

騒ぎを起こすポケモンを冷静になだめ、パニックのときには的確な指示を大人たちに繰り出し、あろうことかみんなを守るためにポケモンの電撃を我が身に受け、しかも無事でいられる(まさに完璧超人……!)

そんなサトシはあまりに機械仕掛けの神的存在であり、『三国志演義』でいう孔明的ポジションである

アニメの危なっかしい、感情的で、ミスを多くする、熱血漢なサトシに慣れている人間には違和感であるし、物語としても「それって面白いのかな?」という感があるので

個人的にサトシの完全無欠性は賛否がわかれそうなところである

 

とまあ色々いったが、作中で登場するポケモンもわざと初代・金銀の出てくるポケモンに絞って出しているので、そういう意味でおじさんからキッズまで楽しめる良作ポケモン映画です

 

 透明人間

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評価:D

金曜ロードショー千と千尋の神隠しが放送されたとき、その時間の埋め合わせに放送された短編映画

絵はいいが、物語は普通に面白くない

透明人間であることは辛い、誰からも相手にされず誰にも見向きもされない

そんな透明人間に気づけるのは、盲人だけ……という描写は面白かった

彼らは目で人を見るわけではないのだ

 

ただ、最後のオチは、非常にくだらなかった

さて、透明人間をテーマにした映画を初めて、描きたい描きたいシーンは描いたけど、さて、最後のオチはどうつけよう……? そう困ったのがありありとわかるラスト

結局人間の社会道徳? 倫理観? こそが生きるための糧なんだ!!!

みたいなよくありがちなオチでおわります、くっだっらな

 

念の為言っとくけど人間の社会道徳へ訴えかける展開がくだらないというわけではない

急にそういった方向に物語の舵を切って、無理そういうきちんとした(でも急展開だったため激浅な)オチにしようとする

その流れが実にくだらないという話

 

進撃の巨人 Season3 Part2

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評価:B

いきなり大ピンチの戦闘、明かされていくこれまでの伏線

中盤までは面白かったけど……え、こんな終わりかたなの?

 

うんこのキレ方が悪くて「まだ出そうなが気がするんだけど……出ない」みたいな終わり方、これが進撃の巨人 Season3 Part2

まあ中学生が考えた「クーデター劇」を見せられたしょうもない王政編(Part1)よりはよっぽどましだったけど

 

進撃の巨人が面白い背景には、ド派手なアクションという展開という表向きの話と、あらゆる少年漫画に対するアイロニーが混在しているからだと思う

なので子供からある程度年いった人でも、それぞれが違う視点で物語を見れる

エルヴィンが兵士を勇ましい言葉で兵士たちを鼓舞する裏で「耳障りのいい言葉を吐けば兵士たちはついてくるだろう」と毒を吐いているのがそれを象徴している

 

しかしアニメでおってる勢だけど、今後進撃はこれ以降下り坂になっていくらしい

うーん……

 

 ガールズ&パンツァー

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評価:C

意外ときちんとしていた青春ものアニメ

萌え~なビジュアルと、戦車というイロモノコラボレーションに躊躇してしまうが、中身は至極真っ当、というか純粋に敵を倒して優勝を目指していく意外や王道スポーツアニメ

ただ戦闘描写の良し悪しは回によってバラツキがある、どの回も退いては相手を有利なところに誘い込んで隙きをつく、釣り野伏戦術が基本で見ていて「またこれか」って感じ

また、戦闘は敵情の探り合い……斥候や偵察の繰り返し……

というよりはよーいドンのガチンコ戦闘なので、全体的に戦闘に立体感がない

そのため3次元的に戦闘を展開していった「対ソ連」「対イタリア」以外は微妙

 

またこのアニメ、味方キャラに魅力がないのが青春アニメものとして致命的

戦闘はだいたい主人公・西住みほと独断と指導によって行われており、味方キャラが自分で考えて戦果を出す、自分なりの戦術で敵を撃破する、という描写がかなり少ない(生徒会チームが単独行動でああだこうだするのが何回かあるが……)

そのためもう主人公チームってもうあいつだけでいいんじゃね ってレベルでどの子にも愛着がまったくわかない、致命的

もっとキャラ1人1人を掘り下げてくれれば、戦闘も面白くなったのだが

(終盤ではほとんど愛着のない飛び入りキャラが味方に出てくるが……ほとんど描写がないので当然彼らがやられても何も悲しみもわかない)

 

色々と惜しいアニメ、12話完結ではなく24~5話だったら違ったかもね

 

あとWW2の戦車内部はそんな居住性よくねぇ! てことも言っておきます

極東の島国の戦車なんか、人力で砲塔動かしてるやつとかあったし

 

 

 

 ここからは講評(笑)と関係ない愚痴

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前回、前々回とアニメ講評(笑)を書き散らして、それに対する反応も色々帰ってきたのだが、その中でもよく見るのが

「日常アニメに甘いがシリアスに厳しい」「シリアスが嫌い」というものだった

まあ、確かに、日常パートはかなり甘々点数で書いているのは間違いない

対するシリアスパートきたら、ここのこの部分は糞! これのこういうところがゴミ!! と散々なかき立てっぷりである

だがそうは言っても決してシリアスな話が嫌いなわけではない、というのはことわっておきたい

例えばすでに書いてたとおり胸糞悪い展開で有名なぼくらのは結構楽しめたし、今も昔も、最も好きな漫画は寄生獣で、不条理文学は好きである

じゃあなぜこんなにもあれやこれやの記事でシリアスに対して文句を垂れているのか? というと

 

まず日常アニメと、シリアスパートでは、ハードルの高さに圧倒的な違いがある、ということを言っておきたい

日常アニメの作り方は簡単である、まず女の子を数人配置して学校のこととか、勉強のこととか、たわいもない会話をさせておく

それでいてキャラクターの1人が時々おかしいことをして、まわりにつっこまれたり、ギャグ要素を適当に散らしておけば完成である

これで舞台が軽音部だったらけいおん! だし、美術科だったらひだまりスケッチGA ~芸術家アートデザインクラス ~ネオ・ヴェネツィアだったらARIAの完成である

それでいて面白ければ良作や傑作だし、会話やギャグがしょうもなかったら駄作と至極単純である

 

だがシリアスな話だとこうはいかない

古今東西、それこそ後世に受け継がれるような傑作があれば中学生が書き散らしたようなしょうもないシリアスまでありとあらゆるシリアスが存在する

シリアスの尺度も、人を大切にしよう、信じれば願いは叶う、といった小学生レベルの道徳から、哲学の領域に達するものまで、それこそありとあらゆるレベルのシリアスが書けてしまう

要するに考える幅が広く良作や傑作にするためにはハードルが高いのだ

 

最初からシリアスにふっている作品はよくできていることが多い

ぼくらのはほとんど最初から最後まで、徹頭徹尾胸糞展開が続くし、寄生獣は全体を通して生に対する人間のあり方を見つめていく作品だ

ところがどっこい、それまで萌えパートや日常パートからいきなりシリアスへ舵取りをしたアニメはゴミな場合が多い

これはシリアスの材料となるものが、不足しているためで、

例えばそれまで「きゃっきゃっうふふ」していた展開から、深淵な哲学の奥底を探求する物語に移行できるはずもなく

仲間が大事、自分を信じることが大事、絆が大事、ありのままでいることが大事、という小学生の道徳の教科書レベルのシリアスしか描くことはできない

果たして萌えアニメに、そんな小学校レベルの説教を求めているだろうか? そんなアニメを見て「ああ……! そうなんだ、なんて深い話なんだ!と感動するだろうか?

ただうざいだけである

 

そんな能書きを垂れてくることを恥としないアニメには容赦なくゴミで、駄作で、時間の無駄というレッテルを貼るのもやむを得ないのではないだろうか

素晴らしい体感をするためにアニメを見ているわけでどこかで見たことのあるような安っぽい体験を見るためにアニメを見ているわけでは決して無いのである

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 閑話休題

 

未来のミライ

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評価:E

4歳児のクンちゃんにある日、妹のミライが家にやってくる

生まれてきたばかりの赤ん坊に最初は喜んでいたクンちゃんだが、次第に王座の陥落・

両親の関心が妹へ向かったと知るとこれに抗おうと必死に抵抗する

しかし未来からやってきたミライ、その他先祖の人とあっていくうちに

1人の兄として、そして両親の子供として、成長していく、というお話

 

この作品は実に素晴らしい作品だ、今君がまさにこの記事を読んでいるのなら、いますぐレンタルしてくることをおすすめする

それだけみんなこの作品をみんな見るべきだし、愛すべきだ

 

まず言っておきたいのはよくこの映画についてネットで言われてるような「子供がわがまますぎる」とか「子供が不快」といった評価は自分はない

確かにこの映画のクンちゃんは、最初から最後までわめき倒すし、イヤイヤ期真っ最中で、両親の言うことをときにきこうともせず暴れまくるが

それまで両親の愛情を一身に受けてた座からの陥落から、注目を浴びようと色々(クンちゃんなりの)奮闘をするのは当然だし、なんでも自分でしたがったり、ほしがったりするのはむしろ見ていて自然だった

特に印象的なのは、公園でお父さんと自転車で練習するシーン

最初マンツーマンで補助輪なしの練習をするのだが、同年代(ちょっと上?)の子どもたちに見られて、お父さんの心配をよそに急に「1人で練習する!」と言い出す

子供は大人に対してはいいけれど、同年代の子供に弱みを見せるのを本当に嫌がる

そのくせして、「1人で練習する!」と言いながら父親を眺めるクンちゃんはとても不安そうだった

それまで保護されていた家庭という世界を抜け出して、よくしらない、子どもたちと「社会」を結ぼうとするシーン

外社会はとても危険だ、だからといって親の力を頼ろうとするのは、子供の体面に関わる

でも子供から大人になる流れで、いつかはそういうシーンを必ず乗り越えなくてはいけない

クンちゃんにとってはそのシーンがココだった

そういった子供の見栄、不安、成長といった要素がまじりあったこのシーンのリアルさは好きだった

また本当に最終盤で、クンちゃん駅で迷子になるシーンはそのシュールさ、幻想さ、絵柄がよくて、かなり好きだった

最後の東京駅のシーンは幻想的で素晴らしい、ちょっと怖い…けど魅力的な駅長のシーンは見ていて惹き込まれる

この駅のシーンだけで見る価値のある作品だ

https://image.itmedia.co.jp/nl/articles/1807/28/cover_news017.jpg

https://stat.ameba.jp/user_images/20180721/00/anshokuki/55/b0/p/o1588085414232734962.png

 

 

見てきたとおりこの作品は本当に素晴らしい、クンちゃんの視点、感情のゆらぎ

監督はよく子供を観察している、ということがわかる

そのリアルさこそがこの作品の魅力だ、さあみんなもぜひ見てみよう!!

 

 

 

 

 

 

 

 

https://i.redd.it/kopzgatxbo2y.jpg

 

 

この作品は糞だ! 見る前に「つまらなさそうだな」と思っていたが、まさかここまでヒドイ作品だとは思わなかった! よくこんな作品を21世紀の後に出せたな

生半可な覚悟で見ないほうがいい、想像を絶するような「つまらない」展開の連続で2時間弱の拷問が君を襲ってくる

本来40分~1時間ですむところを、2時間弱の映画にするため、希釈に希釈を重ねたうすうぺら~~~い物語が続く

映画が流れている間、何度も何度も時計を確認せずにはいられないだろう

「あれ、実時間は30分経ったけど……こっちはなにも進んでないよね?」てな感じ

まさに物理科学に挑戦するケッ作ということができるだろう

この作品はまさに21世紀・最新の映像とCGを駆使した新たな形の拷問器具である

まず物語としての必然性がない、この物語はクンちゃんが過去の人物と交流して成長していく話である

でもなぜ過去の人物と交流しなくちゃいけないの? さあ……

なんのためにクンちゃんは交流しなきゃいけなかったの? さあ……

そういったマクガフィン的要素もなく、視聴者はただクンちゃんが場当たり的の人と会うのを見せられる

見ている側は「えーと……で?」て感じで物語の停滞感に頭をかかえることだろう

確かに……クンちゃんは過去の人と出会って、なにか変わったかもしれないけど……それだけ? それだけである

過去にさかのぼって母親とあって家を暴れまくってみたり、ひいじいちゃんと会って一緒にバイクに乗ったり、未来の自分に会って、罵倒を受けたり

他人のInstagram並にしょうもないクンちゃん日常会話記録を延々と見せられる

そんな映画、見ていて楽しいですか?

4歳の子供の日常記録、あなたは見ていたいですか?

クンちゃんが日常生活で障害にぶつがる(だだをこねる)→イライラしながら庭を通る→過去の人に出会う→それをきっかけに日常生活の障害を解決する

という流れがゆーーーーくり繰り返されるのだが

そのパターンを2時間弱ひたすら見せられるのはつまらないし、だんだんパターンも読めてきて最後のほうは新鮮さもなくなり「はいはいまだこれね」としょうもなくなってくる

まるでませた女子中学生が人生はじめて考えた小説のように単純な構成だ

でもこれを考えたのはヒゲモジャのおっさんだって!?

きっっっっっっっしょ

 

 

この作品について最初に書いたこと、クンちゃんの描き方や駅のシーンについて書いたことは嘘偽りはない、ここはよく書けてたしこの作品唯一の良心といっても過言ではない

でも他の部分は糞だ

薄っぺらいどこにむかっているかもよくわからない(視聴者の視点が定まらない)、しょうもない話を延々と2時間弱みせられる

こんなものは罰ゲームだ、いやむしろ罰ゲーム以外つかいみちがない

君がこいつの有効な使い方を探っているのなら、友達を拘束して2時間弱この映画を見させ続ける拷問にかけろ!

それが最もこの作品の魅力を最大限発揮する方法だ!

純粋に面白い作品が見たいのなら、みるな! こんな汚物!!

 

 

 

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